第2章 初対面
きっと彼は乗ってくるーーーー
私の誘いにーーー
「変な事…とはこうゆう事、ですか?」
『んっ…?!(やはり来たっ)』
安室が愛香にキスをしたのだ。
それは触れ合うだけの簡単なキス。
わずか数秒間だけの触れ合い。
「すいません、照れてる愛香さんがとても可愛らしくて、抑えきれませんでした」
『いえっ…その…嫌じゃなかった…です』
信号が青になり、再び車が動き出す。
「愛香さん…。
提案しといてなんですが、ドライブはやめにして、僕の家に来ませんか?
もっと貴女を知りたい」
『わ、私も…安室さんの事か知りたい…です』
「(かかった…!)
では、僕の家に向かいましょうか」
安室の家に向かうべく車は走り出した。
「お待たせしました着きましたよ、今駐車させますね」
それから10分程経ったぐらいだろうか。
一軒の高級マンションの地下駐車場に車を入れた安室。
『(パッと見でもかなり良い所に住んでるって分かるわね…)
凄いお高そうなマンションです…』
「最近は物騒な世の中ですからね。
少しセキュリティーが良い所に住まわせてもらってます。
さ、こちらが入り口です」
車を駐車させ、車から降りた2人はエントランスへと向かう。
部屋の番号を見る限り、上から数えた方が近い所の部屋らしい。
エレベーターに乗り、部屋の前まで行くと安室が鍵を開ける。
どうやら鍵は、鍵を入れ、指紋認証でドアを開ける仕組みのようだ。
『(面倒なシステムね…これじゃ気軽に侵入は出来そうにないわ)』
「さ、何もありませんが、どうぞ座って待っていて下さい。
今飲み物を淹れますね」
『お邪魔します…』
中に入ると、白を基調とした黒とのモノトーンに揃えられている。
無駄な物は一切置かない、どうやら彼は完璧主義のようだ。
とても清潔で、まるでモデルハウスの様な部屋だった。
愛香は部屋を少しキョロキョロと物色し、黒革のソファーに腰掛け、安室が戻るのを待つ。