第10章 最強タッグ(?)
「まったく…貴方は多少荒っぽいのではないですか?」
「言う事を素直に聞いてくれるような妹ではないので。
それは貴方もご存知では?」
ぼんやりとした意識の中で人の話し声が聞こえる。
…これは昴兄と安室透か…。
私なんで…あぁ…睡眠薬盛られたんだっけ。
酷い事するなぁ…このまま眠ってるフリしてる方が安全だ、きっと。
そう思いそのまま静かに話に耳を傾ける。
「はぁ…。
とりあえず貴方には色々言いたい事や聞きたい事があるが、今回だけは手を組んでやる」
「ほぉー…今回、だけ、ですか。
まぁいいでしょう…愛香も起きたようですし」
あー…バレてる。
最悪だ…いや極限まで寝たフリを通そ…
「おや、もっとキツいお仕置きをお望み…」
『いえっ、お、お、起きてますっっ』
急いで目を開け、飛び起きる。
どうやらここは私の部屋のようだ。
まぁ当然だろう、彼のパーソナルスペースに安室透を入れる訳がない。
でも入られても大丈夫な様にきっと準備は完璧なんだろう、じゃなきゃ家に招かないはず。
それにしてもこの2人が一緒に居るとか…顔面偏差値高過ぎて目が疲れる。
世の中の女子的には素晴らしい瞬間なのかも知れないが、両方共に裏の顔を知っている私としては落ち着かない。
何をされるのかが恐ろし過ぎてそわそわする。
「おや?もうお仕置きが待ちきれないようだ」
『えっ、違っ…』
「その様ですね。
では早速してもらいましょうか」
『だから嫌っ…って…してもらう、ってなんの話ですか…?』
私の問いかけに2人揃って口角を上げた。
いや、怖すぎるんですけどっっっ
「私達から何かするのではもうお仕置きになりませんから」
「折角素敵な格好をしているので、愛香さんから誘っていただこうと言う話に纏まったんですよ」