第10章 最強タッグ(?)
「さて、それでは本題にいきましょうか」
本題とは一体なんだろうか、とりあえず話を聞きながら、そう思って視線は昴兄に向けたまま紅茶に口をつける。
安室さんはと言うと出されたコーヒーには手をつけないで昴兄を睨みつけていた。
早く話せ、そう促しているようだ。
「いえ、簡単な話ですよ」
それにしてもこれ美味しいなぁ…きっと高い茶葉なんだろ…
「妹のお仕置きを手伝っていただきたくて」
ブフッーーーーーーっ!!!
『っ…!?
げほっげほっ…!!』
「おや?大丈夫ですか?」
辛うじて吐き出さなかったのは奇跡と言っていいと思う。
何を言い出すんだ貴方は、そうゆう気持ちを込めて気管に入ってしまった紅茶に咽せながら睨みつける。
その視線に気付いていてもにこやかな笑顔でスルーする昴兄、むかつく←
「僕に手伝えと…?貴方はそれでいいんですか」
「えぇ、お転婆な妹には少しお灸を据えなければと思っていまして」
ちょ、ちょっと待って。
まだ気管に入ったダメージで話に参加出来ないから勝手に話を進めるのやめて。
そんな思いも通じず話は進んでいく。
安室さんは昴兄の話を聞いて少し考えている仕草をしていた。
「貴方の意図は分かりませんが、彼女に許可をいただいてお仕置き出来るのでしたらお手伝いしましょう。
貴方と一緒、と言うのは不服ですがね」
「ありがとうございます。
では寝室の方に…」
『ちょっ…待ってっ…、なんで勝手にっ…。
…ってあれ…??』
やっとの事気管のダメージを抑え込み、話せるまで復活したので反論しようと声を上げた途端。
何故か目の前がぐるぐるとし始めた。
あれ…この感覚って…。
「おや、効いてきましたか。
流石即効性ですね」
『さい…てっ…』
あぁ、私は睡眠薬を盛られたのか、なんで…。
理由も考えられず、ただただ強烈な眠気に身体を委ねる。
意識が朦朧とし、ゆっくりと目蓋が閉じて…そこで意識が途切れた。