第9章 帰国…?
『んーと…ここが現在地で…。
思ったより歩いてたなぁ』
地図で確認してみると快斗の家から結構歩いた位置に居た。
久しぶりのゆっくりとした時間で張り切りすぎたみたいだ。
さて、頭の中にこの地図を入れて…
「ねぇお姉さん、道に迷っちゃったの?」
なんだか聞いた事のある声に、まるで自分の首がブリキの玩具にでもなったかの様にギギギとゆっくり後ろを振り返る。
振り返ってから視線を下にスライドさせると…あの小さなフォルムが見えた。
そう最近全然会っていなかった彼が目の前にいたのだ。
一言言っていいだろうか。
なんでココにいるのぉおおぉぉっ←
『ぁっ…』
そう江戸川コナンと名乗る高校生探偵がいたのだ。
やばい、目の前に居るのは可愛い小学生だ、小学生なのだ。
彼に違和感を持たせてはいけない、バレてはいけない、と謎の使命感が私を支配する。
「お姉さん、大丈夫ー?」
『あ、うん、大丈夫!
ごめんね、急に声かけられてビックリしちゃったみたい』
「あ、そうだよね、ごめんなさい。
お姉さん、地図と睨めっこしてたから道に迷ったのかなと思って声かけちゃった」
そんなに鬼の様な形相で(そこまで言ってない)地図を見ていたのだろうか。
自分の眉間を確認してみる、今は大丈夫だ、うん。
『うん、ここに来るの初めてで散策してたんだけど、道入り組んでてちょっと迷っちゃったみたい』
「あ、やっぱりそーなんだね!
お姉さん、今日引っ越してきてそのまま近くの学校に手続きでも行ってたんでしょ?」
『…よ、よく分かったね』
「うん!だって今日日曜日なのに制服着てるからそーだと思ってたんだ!
お休みの日なのに制服着てるって事は学校に行ったって事だと思うし、今日初めて来た所なら引っ越してきた、って事だよね!
そうじゃなかったら休日に制服着てコスプレしてる変な人になっちゃうよ」