第9章 帰国…?
『本当に…帰ってきた…』
日本に着くぞ、と言われ手早く着替えて連れて来られたのは所謂一般的な座席(普通のよりふかふかで高級感溢れる座席)だった。
ちなみに彼がいつ私のスリーサイズを把握したのかは分からないが、洋服下着共にピッタリのサイズだった、何それ怖い←
座席に座り窓から見える景色は紛れもなく日本。
私が寝ている(正確には気絶している)間に本当に日本まで帰って来れたようだ。
どうやって、とかそんな簡単に?とか色々思う所はあるけれど、言わない。
だが、日本に帰って来れたがその後はどうするのだろうか、そんな不安はあった。
「俺と愛香があーーーんな事やこーーんな事やってる間に着いたぜww」
『うるさい快斗っ』
「くっ…www
まぁ、それはそうと…着いたわいいも、愛香はどーすんだ?」
『…』
そう、問題はそこなのだ。
帰ってきたかったのは本当だ。
だが、帰って来るのには問題があるのだ。
私は黒の組織に今狙われていて実家に身を寄せていた。
なのに勝手に帰ってきてしまったので、家がない。
赤井が居る工藤邸に戻る訳には行かない、絶対実家に連れ戻されるか最悪監禁だ。
あの人ならやる、怖い←
安室さんと会う訳にも行かない、彼はバーボンなのだから。
そう思うと頼れる人が日本には居ないのだ。
さて、どうするか…そんな考えが表情に出ていたのだろうか。
ふと視線を戻すと快斗が真剣な顔で見つめていた。
「んじゃ、このまま俺ん家に泊まれば?」
『へっ…?』