第8章 盗まれたのは
『えっ…そ、その格好で…するの…?』
「あぁ、この方が萌えるかなと思って…じゃなくて、思いまして」
そう彼は服を一切脱いでないのだ。
少し上下崩れているくらいで、姿は怪盗キッドのまま。
そして口調をキッドに戻したら…まるで怪盗キッドに犯されているみたいだ。
いや、怪盗キッドは快斗で、快斗は怪盗キッドで…あぁっ、頭が混乱してきた。
『いやっ…で、でもっ…ちょっと…』
「愛香さんは私のファンですよね。
私に抱かれるのはお嫌ですか?」
『えっ…あの…えっと…』
顔を手で隠ししどろもどろになる。
確かに私は怪盗キッドのファンなのだ。
怪盗キッドファンにしてみれば、抱かれる以前に会う事すら夢のまた夢だろう。
どう返答しようかと迷っていると、いつの間にか両脚を持ち上げられていた。
え…と声を上げる暇もなく容赦なく彼のモノが中に一気に入ってきたのだ。
『っ…!!?!?』
驚くと人間声が出ないとは良く言うものだが、まさかこんな時にまで適用されるとは。
挿ってきたモノが大きく、思わず身体が強張り中がギチギチになってしまう。
「くっ…少し力を抜いて下さい…。
これでは私のが千切れてしまいます」
そう言って優しくキスをしてくる。
唇、頬、首筋…色々な部分に優しいキスを落とされ、少し擽ったくもあるが強張った身体から力が抜けた気がした。
それに気付いたのか、挿れたのは強引だった癖に優しい声音で大丈夫ですかと聞いてくる彼。
その声に仕草にキュンとしてしまう私はやはり怪盗キッドのファンなのだろう。
中身は私の知っている快斗だと分かっているのに、ただ怪盗キッドの服を着ているだけで…何故こんなにも自身の奥からじゅんと蜜が溢れてくるのだろうか。
『(私も…変態だったのかな…)』
着衣セックスに濡れるなんて…変態だったのだろうと思ざるおえない。