第8章 盗まれたのは
そんなこんなで地元警察とかを振り切り、彼が降り立ったのは1つの小型の飛行機。
え、不法入国したの?と思ったが、それは大丈夫だったらしい…詳しくは企業秘密とか言っていたけど。
その中に入ると1人の優しげな執事さん?が居て、自己紹介をしてもらう。
どうやら寺井黄之介さんと言うらしい。
本当優しくて良い人だった…うん。
その後日本までに着くのに時間かかるから…って理由で1つだけある個室に案内されたんだけど…。
え…なんだろう、この状況は。
今、怪盗キッド…もとい快斗君にベットの上で押し倒されております。
『えっ…と…?
なんでこうなってるのかな??』
「ん?いや、日本まで連れてくの引き受けた見返りもらおーと思って」
そう至近距離からニコニコとしながら言われた。
え、見返り求められた…!?
いや、確かに無理なお願いしたのだから何かしなきゃとは思っていたけど!
『それで…見返りをしてもらおうって言ってるのにこの体制は…?』
彼はニコニコしていた笑みを更に深めて…
「勿論、愛香を頂こうと思って」
そう言った。
嫌な予感と言うものは的中するとは良く言ったものだ。
だが易々と自身を捧げる訳には…
「この間あんな事あったし…ちゃんとベッドの上でリベンジさせて欲しい」
さっきまでニコニコしていた顔が真剣になった。
うぐっ…そんな顔をされたら…(←真剣な顔に弱い)
『…一回…だけだからね』
「よっしゃっ…!!」
押し負けました。
あぁ、私ってビッチなのか、そう思えるほどチョロいなぁ。
なんて考えるけど、私の上でガッツポーズを決めて喜んでいる彼を見てまぁ、いいかなんて思う私。
「じゃあ…よろしく」
嬉しそうな顔で優しく私の唇にキスを落とされた。
ちょっとだけ、その笑顔に胸がときめいたのは内緒ね。