第2章 初対面
ピピピピピ…
携帯のアラームで目が醒める。
あの後自室に戻り、ベッドに入り直ぐに眠りについた。
あの赤井とのキスで身体は火照っていたものの、1人で慰める気は毛頭なかったからだ。
『キス…気持ちよかったなー…。
煽って正解だったわね』
さてと、と彼女はベッドから起き上がり、出かける準備をしてからキッチンへと降りて行った。
そこには既に沖矢昴のマスクを着けた、赤井秀一が起きて朝食の準備をしていた。
「おはようございます、愛香さん。
朝食、召し上がられますか?」
『おはよう、お兄ちゃん。
朝食軽めのものならいただこうかな?』
「すぐご用意しますね」
するとすぐにコーヒーとトマト・レタス・きゅうりが入ったサラダ、ヨーグルトがテーブルに並べられた。
『なんで私が朝食べてるもの、知ってるの?』
そう、彼女は朝はコーヒーにサラダ、ヨーグルトを好んで食べていたのだ。
それが今目の前にある。
沖矢は気にした風もなく
「僕は愛香さんのお兄ちゃんですから」
とくすりと笑っている。
『(これはジョディに聞いたな…。
あのおしゃべりさんめっ…)』
ジョディとは何度か仕事を共にし、年齢が近い同性と言うのもあってか、直ぐに打ち解け、色々と話せる仲になっていた。
お互いの事を話すと、自然とジョディは赤井秀一の情報と言う名の愚痴を聞かされていたのだが…。
赤井の情報は役に立っているが、まさか自分の情報まで漏らされるとは…。
惚れた弱みってやつなのだろうか。
まぁ、それでも彼女は良い人なので憎めはしないが。