第2章 初対面
『えー、お互いを知る為には身体から知った方がいいと思ったんだけどなー。
まぁ、それはまたの機会にするね』
「俺は君とするつもりはない」
『あら、つれないのね』
そう言って彼女はベッドから降りてこちらに向かって来た。
身体が触れそうな程まで近くに来た彼女は、赤井の顔をじーーーと見つめる。
「綺麗な顔してるのね。
目の色も綺麗…。
ジョディが夢中になるのも理解出来る」
そう言いつつ、赤井の頬に手を滑らせる。
その手が唇に触れた瞬間、赤井がその手を掴んだ。
「俺は女性に攻められる趣味はない」
『私はどっちも好き』
ちゅっ…
「…!」
彼女の柔らかな唇が赤井の唇と一瞬合わさる。
そのまま彼女はドアのところまで歩いて行った。
『ご馳走様……んっ…!』
彼女がニコリと笑顔を向け、部屋を出ようとドアに触れようとした時
赤井の手がまた彼女の手を掴み、そのまま壁に身体を密着させ唇を奪う。
『ふっ…ん…っ…』
赤井の舌が歯の隙間から入って、静かな室内に唾液が混ざり合う音が響く。
一通り堪能したのであろうか、ほんのひと時の間だったが長くも感じられた口付けが終わり、赤井の顔を見ると口の端を上げこちらを見ていた。
「言っただろう、攻められる趣味はない…と」
『くすっ…明日は朝からポアロだからもう寝るわ。
おやすみなさい』
くすりと笑った彼女はそう言い、今度こそ部屋から出て行ったのであった。