第2章 初対面
時刻は午後10時過ぎーーー
コナンを夕方頃に帰らせ、彼女に使ってもらう部屋へと案内をし、晩御飯やお風呂などを済ませたまったりとした時間が流れるこの時ーーー
沖矢昴こと赤井秀一は自室で起こっている事態をどうしようかと考えあぐねていた。
目の前の自分のベッドに横たわるこの女ーーー
沖矢愛香こと蓮見愛香をどうしようか、と言う問題だ。
お風呂から上がり、リビングでコーヒーを飲み(寝れなくなるとか関係ない)、さぁ自室でゆっくりとしようかと思い戻ると、そこに愛香が居た。
厳重な鍵をかけておいたはずなのだが、そこは流石FBI…と言うところなのだろうか。
不法侵入・プライバシーの侵害に他ならないが。
しかも問題なのは自室に居た、と言う点だけではない。
その格好だ。
「(何故ランジェリーしか身につけていないんだ…)」
そう、彼女はベッドの上でラグジュアリー姿のまま、寝転がり携帯を弄っているのだ。
色白の彼女を引き立たせる様な黒のレースがあしらわれたラグジュアリー。
ノーメイクだと少し童顔になるフェイスが、またなんとも背徳感を感じさせ、彼女の豊満な胸や長い手脚が男を誘う様な色気を醸し出している。
『おーにいちゃーん、そんなに見つめられると恥ずかしいんだけどなー。
あ、今はマスクしてないから、赤井秀一か』
どうやらまじまじと観察し過ぎた様だ。
着痩せするタイプか、などと思っている場合ではなかった。
「何故君がこの部屋にいる」
『これから一緒に暮らすんだから、交流を…と思って。
その第一歩として、一緒に寝ようかなと…。
さささっ、お隣へどうぞっ』
「どうしてその答えに辿り着いたのか、俺はそれをききたいんだが」
彼女が隣へ来い来いとベッドの横のスペースをポンポンと叩いているが、とりあえず華麗にスルーをすることに決めた。