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【安室透】奇妙な客人がやって来るのは、この霊感のせい?

第1章 奇妙な依頼人【出会い】












「へ、へぇ……ちゃんと適度に休んでいるのに疲れが落ちない、かぁ……」

「うん」

「しかも悪くなっている気がする……」
「うんうん」

「更には肩に何かがのしかかっているような感覚がする、と……」

「そうなんだよ!……ねえ、安室さん何とかならない?」

「……さぁ……」


 私に聞かないでよ。と内心愚痴を吐いた。

 チラり、と視線をコナンの横に向ける。

 当の本人は今本棚の前に立って小説を読んでいる。

 コナンがそうするように促してくれたらしいが、どうやら私の霊感について周りの人間には言うな、という約束は守ってくれているみたいだ。

 普通に考えれば、日頃の疲れが溜まって積み重なった結果が今に至ったと思うはずだ。

 適度に休みを取っていたとしても疲れというのは溜まっていくものだ。

 必ずしも解消されるわけではない。

 それにそのような相談は本屋の私ではなく病院の医者に言うべきだと思うんだけどなあ──普通に考えれば、の話だけども。

 というのも、安室さんの肩に何かのしかかっているような感覚がするという疲労も全て、彼の肩に乗っかっている“謎の男”が原因なのではなかろうか。

 コナンの連れてきた安室透という男を見た瞬間は天井を仰いだ。

 十中八九その謎の男は幽霊だろう。

 ただ、顎髭を生やしてグレーのパーカーを羽織っているようで、人間の形を保っているなら別に安室さんに何か怨みがあるわけでも無さそうだ。

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