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【安室透】奇妙な客人がやって来るのは、この霊感のせい?

第1章 奇妙な依頼人【出会い】












 コナンに安室さんが働いている喫茶店の場所を教えてもらい、安室さんの様子を見に行くことを目的に数日間通った。


 結論から言おう。

 私が通ったその数日間安室さんはバイトを休んでいたせいで会うことはなかった。コナンから聞いた話では彼は探偵業もしているらしく、そっちの仕事が忙しいのだろうと言われた。

 それを聞いた私はすぐに復帰するだろうと思っていたが、既に一週間が経とうとしている。いくらなんでも遅すぎないだろうか。


「それに安室さん……いつもは電話で報告してたのに、一昨日からはメールで報告するようになっちゃったの……。それだけの変化ってなんて事ないかもしれないけど……やっぱり安室さんに何かあったのかなぁ、って……」


 と、同じ喫茶店で働いている店員の梓さんが心配そうに呟いていた。彼女もコナン同様に以前から安室さんの体調を気にしていたらしい。


「安室さんに会うのを楽しみにしてるJK達もすごくガッカリしてるし……もしかすると、このまま安室さん来ないんじゃないかって、嫌なこと考えちゃうのよね……」


 梓さんは弱々しく呟いた。

 明るく笑顔が絶えない彼女には滅多に見られない悲しそうな表情に息を詰まらせた。

 安室さんに続いて梓さんにまで苦しい思いはさせたくない──考えるよりも先に口が動いていた。


「だ、大丈夫ですよ!安室さんなら……いや、安室さんは私がなんとかしてみせます!だから安心して、下さい……」


 気がついた頃にはもう遅かった。思わず口走ってしまったのだ。

 梓さんは私の言葉を聞いて悲しみから期待へと表情が変わっていった。吃驚するほどの表情の変化の速さに呆然とする。今更前言撤回できるわけがない。


「ほ、本当ですか……?それじゃあ…期待してますよ! 栞さん!」


 目をキラキラと輝かせ、期待に満ち溢れた視線を私に向けて私の両手を取り「応援してますから!」と満面の笑みを浮かべた──無責任なことを言ったかもしれないが、梓さんがいつもの笑顔に戻ったから良しとしよう。

 
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