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【安室透】奇妙な客人がやって来るのは、この霊感のせい?

第1章 奇妙な依頼人【出会い】












 昔はこの店は母が営業していたが、事故に遭って以来、大学を卒業してすぐに私が母の代わりを引き継ぐことになった。

 ただ、母はこの店を私が引き継ぐよりも他の職に就いて欲しかったようだが。

 安室さんはそっと箱を本棚の元あった位置に戻して私に向き直った。


「すいません。そんな大切な本を……」

「大丈夫ですよ。私も分かりますから。気になったことは納得するまで確かめたいものですし……それも探偵のように」


 コナンの方へと視線を向けると、気がついた彼はぎこちない笑みを浮かべて目を逸らした──どうやら彼なりに自覚はしているみたいだ。



 その後も他愛のない会話が続いたが、安室さんに掛かってきた電話によりその日は彼から何も聞けずにお開きとなってしまった。

 コナンと共に帰り道を歩く安室さんの後ろ姿を見送る。


「安室さんと一緒に帰らなくていいの?」

「うん。僕他にもこれから行くとこあるし。それよりも栞さん。安室さんの近くに……何か見えなかったの?」

「……コナン君、君は探偵なんでしょう?そんなこと聞いていいのかな?」

「何言ってるの?気になったことは納得するまで確かめたいから栞さんに聞いてるんだよ」


 と、コナンは悪戯っ子のようにニヤリと笑った。

 そういう意味で言ったわけではないのだが──その言葉を聞いて、今度は私が苦笑する番だった。

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