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ダイヤのA 短編集 R18

第1章  *御幸一也 『手取り足取り』


御幸side


目の前のこいつは何も分かっていない。
普通、彼女が他の男と二人きりなんて、嫌に決まってるだろ。


昼、倉持がそんな俺を読み取ったのか、部活終わりの音葉とのこの時間を俺に譲ってくれた。


『あの〜、御幸〜?教えるって何をですか〜?』


冷や汗をかく音葉。
これから怒ることを何となく分かっているんだろう。


「安心しろって。頭は使わねぇから。」

『頭使わないって、ちょっ!』


困惑しているこいつを抱き上げ近くのベッドに寝かせる。
この部屋は音葉だけ。だから二段ベッドではなくシングルベッド。
これからすることがやりやすい。


『え?え?なんでベッド?』

「無防備過ぎるんだよ。」


いくら倉持といえど、密室に二人きりは無防備過ぎる。


男心を分かっていないこいつに教えてやらねぇと。
体で、な。

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