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ダイヤのA 短編集 R18

第1章  *御幸一也 『手取り足取り』


貴方side




「なぁ、なんで不機嫌か分かる?」


隣に座る御幸に、ここなんだけど...。と聞こうとすると、不意に尋ねられた。


『え、いやわかんない。』


成績が悪かった事がよっぽどダメだったのか。
それなら沢村や、降谷くんはどうするんだ。


「マジでわかんない?」


少し怖い顔をしている御幸に焦りを感じる。


『う、うん...。』


はぁーーー。とわざとらしくため息をつく御幸に、首を傾げる。


「普通、彼女が他の男と二人きりだったら嫌だろ。3人とかならまだしも...。」


そうか。それでこんなに不機嫌だったのか。
御幸が他の女の子と二人きり...確かに嫌だ。


『でも、倉持じゃん?気にしなくて良くない?』


嫌と言っても、倉持だ。仲良い男子なら大丈夫でしょ。


「分かんねぇなら教えてやるよ。手取り足取り、な。」


そういう御幸の目が、眼鏡越しに怪しく光る。

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