第1章 *御幸一也 『手取り足取り』
貴方side
部活も終わりご飯とお風呂を済ませ、寮の自分の部屋に戻る。
御幸を待ちながら、勉強道具を開く。
『御幸と勉強かぁ。いつぶりだろ。』
試合が忙しかったのもあり、テスト前は全て自分だけでやっていた。
そのせいで英語は玉砕したのだけれど。
『悪い、待たせたな。』
そんな考えごとをしていると、御幸がドアを開け入ってくる。
...声を聞く限り、まだ不機嫌そうだ。
『あれ?勉強道具は?』
御幸を見ると、何も持っていない。
てっきり、お互い勉強しながら教えてくれるのだと思い込んでいた。
「ん?まぁ、要らねぇしな。」
そう言ってドアの鍵を閉める。
ん?鍵?
『え、何で鍵閉めんの?』
「邪魔されたらダメだろ?」
そう言う御幸に、少し違和感を感じる。