第2章 *倉持洋一 『彼シャツ』
貴方side
『御幸のはデカいしね。倉持に借りればいっか。」
「おい、それ俺がちいせぇって言いてぇのか??」
そう言うと、倉持は頭をグリグリしてくる。
痛い痛い痛い!!
「そうだな、とりあえずシャワー浴びて着替えて、制服のシャツだけでも乾くの待ってから帰れば?」
倉持に解放されると、御幸にそう言われ、そうするよ。と頭をさすりながら答える。
「じゃあ私先に帰るからね。アリス、風邪ひかないでよ。」
『うん。分かった!また明日ね!気をつけて!』
少し寂しいが、今弱まっているうちに帰るべきだ。
幸子が帰り着くまで雨が強くなりませんように。
私は...最悪寮に泊まろう。
「じゃあな、梅本。」
「気をつけて帰れよー。」
背中を向けて歩き出した幸子をみとどけてから、倉持に、着替え貸してと頼む。
「んじゃ取ってくるから先行って待っとけ。」
「倉持。俺は、沢村達見てくるから。」
じゃあな。という御幸に倉持は、おー。私はじゃあねと言ってそれぞれ歩き出す。
『私が帰る時、雨弱まってるかなぁ。』
シャワールームに向かいながらそう呟く。