第3章 雄英体育祭
『そりゃ、真剣に考えるよ』
「え、」
『だって、電気くんは私にとって、確実に特別な人だし、』
「?!」
『でもわたし、”好き”って考えた事というか、なったことなくって・・』
「・・・え、じゃぁ、もしいま夢翔が俺のこと好きになったら初恋って事じゃね?」
『そういうことになるのかな』
よっしゃあ!!と何やら意気込んでいる。
「俺、頑張るわ!」
『???何を??』
「なんもかんも!」
電気君はそう言って私の手を取って歩き出した。
「よし。急がねーと遅刻すんぞ」
そんなことを言って少し早足になる彼の耳は少し赤い。
手をつなぐって、何だか、ドキドキする。
ーーーーーーー
学校に着くと、お互い手を離した。
「間に合ったな。やっぱ俺天才じゃね?」
そんなことを言って顔を見合わせて笑った。確実に遅刻しない時間帯だったけどね。
クラスに入ると何故か途端にブーイングが飛んできた。
「おい雷!!これどういうことだ!!これ!!!」
切島がズイッと差し出してきたのは携帯画面
内容は・・・
「はぁ?!”雄英の美少女!!同級生と手つなぎ登校”?!なんだよこれ!!」
「おっま、朝から夢翔のことがネットニュースで話題になってるの知らねえの?!」
「いやいやいや!え?!なんで?!」
「ヴィラン襲撃取材の時にカメラの端に写っていた夢翔が!!!今世紀最大の美少女ヒーローだっつって2チャンに乗ってんだよ!!!」
「今でもすごい伸びよ。」
梅雨チャンが画面をスクロールして見せてくれる。
画面を更新するたびに夢翔を賞賛する人のコメントがずらりと並んで出てきた。
「・・・おれ逆にラッキーじゃね?」
「はぁ?!」
「だってそんな夢翔と手つなぎ登校とかもう恋人として世間は認識してるって事だろ?おれすげェ」
「お前・・爆発さん太郎に何されてもしらねえぞ・・・」
「ッ!!!!」
そんな会話をしていると
「おいアホ面ァ・・・」
「ひい!!!!」
「これはどういうことだ!!!ァ”ァ?!?」
その後、教室内でたくさん爆発音が聞こえたことは、言うまでもないだろう。