第3章 雄英体育祭
次の日。
雄英にヴィランが襲撃しに来たことは大きくマメディアに取り上げられていた。
【〝雄英高校を襲撃したヴィラン連合と名乗る団体はオールマイトに強い悪意を持っていることが明らかとなっています。また、犯人の主格と思われる人物は未だ逃走しており〟】
『うわー・・ちょ、私の顔写さないでよー・・。』
テレビデビューをこんな形でするとは思わなかった。しかも右手を手当てしてもらってる時の映像が全国に流れるのかよ・・・だっさ
でも、こんなニュースを目の当たりにしても、母さんは・・・いや、なんでもいっか。
いつものように支度を済ませて、雄英高校へと足を進める。
私が早く学校に行くことを、勝己くんと出久くんは察したようで、もう玄関の前に立つことはなくなっていた。
学習していてよろしい。
「あ、あの!」
『?』
「て、テレビで見ました!!・・その、とても素敵な目をしていて、あの」
中学生と思われる学ランを着た男の子。
・・・なんだ??
『・・あの、多分誰かと勘違いしてると思うのだけど・・。』
「勘違いなんかじゃありません!!僕の目に狂いはありません!!!雄英襲撃のニュースを見て、一目惚れしたんです!!!」
えええええあんな手当てしている様子を見て一目惚れ?!こいつ頭おかしいッ
『えっと、その』
「わりい。こいつ俺の女だから」
そう言って手を引っ張ったのは
『電気・・・くん?』
男の子から大分離れたところで、雷はホッと胸をなで下ろしていた。
「いやーーーーー人生で一回入ってみたかったんだよな!!!”こいつ俺の女だから”ってさ!!!」
頬を赤くさせて、何だかやけにテンションが上がっているようだ。
『そうなの?まぁとりあえず、ありがとう。助かったよー。』
「いやいや!いいってことよ!なんなら、本当に俺の女になってもいいんだぜって・・・」
『・・・・』
「嘘だっつーの!」
『っだよねー焦った~』
あぁ。俺、こうやって逃げるばっかりすんのかよ。
「・・もしさ!?こう天と地がひっくり返ったらって確率!!」
『?ん?なに?』
「おれが・・・夢翔のこと好きって言ったら、どうするよ・・?」
そっと、恐る恐る聞く雷。
『え!電気くんが?!・・・んー』
「・・・・」
"あり得ないよ!" なんて言うんだろうな。