第2章 USJ
闇が深ければ深いほど、その光は、眩しいほど煌めいて。
オールマイトは普段テレビで見るような笑った表情はしておらず、とても。とても怒っているようだった。
「オールマイト・・笑ってない・・。」
出久くんの言葉に、心の中で共感したのを覚えている。
オールマイトは一瞬で周りにいたヴィランを倒すと、相澤先生を抱えた。
一瞬
『・・へ』
オールマイトに抱えられて、死柄木から距離を作った。
早い、見えなかった。移動も早すぎて、わけわかんない・・。
「みんな。入り口へ。相澤くんを頼む。意識がない。早く!」
「は、はい!!」
「小日向少女・・・。怖い思いをさせてしまったね。」
オールマイトは、私の変色した腕を見ながらそういった。
『・・いえ』
「もう、大丈夫だ」
彼は、死柄木を見据えて言った。
・・・っ。私、何も出来なかったんですっていったら、彼はなんて思うのだろう。
相澤先生にこんなひどい怪我をさせてしまったのは、私だ。
わたしが、こなければ、、
ごめんなさい。
小さく震えながら涙を流した。
梅雨ちゃんが相澤先生を抱え、出久くんは私を抱えた。
「夢翔ちゃん、行こう」
何も・・・出来なかった。
悔しい気持ちしか出てこない。
『出久くん、オールマイト、だいじょうぶ、かな』
「・・だいじょうぶだよ。きっと」
大丈夫。
不安そうな声色。
出久くんは、何を思っているんだろう。