第2章 USJ
『・・どうせ殺られるなら、少しでもッ』
出久くんの個性を最大限まで出すように精一杯腕に力を込めて脳無目がけて引いた。
『スマ---ーッシュッ!!!!!!!』
脳無の体に拳がぶつかって、自分の腕がだらりと垂れた。
『・・ッ』
1つも、利いてない・・・ッ!!
「あ~あ。何してるんだよ。これから大事に育ててやろうと思ってたのにさ。」
傷作らないでよ。
そう言いながら、死柄木と呼ばれていた男はそっと近づいてきた。
「・・いい目だ。」
絶望した。
何も役に立てない自分に。
なんの成果も出せなかった自分に。
死柄木の手が夢翔の頬をなでた。彼は小指と薬指を浮かせて、三本の指で触れてきた。