第1章 春
「だぁれぇがぁヴィランくんだぁ?!?」
『え、違うの』
「どー見たって違うだろォがァ!!!!」
『え!だって怖いもん!!!え、怖いもん!!!』
「うっせぇ!怖くねーわ!!!!」
なんて口論しながらも掴んで腕は離してくれない。なんなんだこの人。
『あの、離して?』
「あ"?」
『なんでもございません。』
威圧がとても強くこいつにぁーかなわねぇ~と思いながら更衣室まで進んだ。くそ。もっと他の人とともお話したかったのに。
更衣室の前までつくと、パッと手を離された。
彼は何を言うまでもなく更衣室に入っていく。
え?!?本当にさっきのなんだったの?!?!
モヤモヤするようなちょっとイライラするような気持ちを押さえ込んだ。
女子更衣室に着くと、もう着替え始めている生徒達がいた。
「あ!さっきのかわい子ちゃん!」
とピンクの人が話しかけてくれた。
「私、芦戸三奈!」
『私、小日向 夢翔よろしくね。』
「夢翔さんと呼んでも宜しくて?!?」
とポニーテールの美人な人が話しかけてくれた。
『もちろん』
ニコッと笑うと、ほかの女の子達も沢山話しかけてくれた。
「私は蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。」
「私!麗日お茶子!!!ほんっまにかわええ!!」
「発育の暴力、、」
と様々な話をしながら着替えを済ませた。
ちょっとピタってしてる。この体操服。
「夢翔ちゃん、なんかすごい、、いい。」
グッと親指を立てたお茶子にえ?!と言葉が詰まる。
「なんだか、男の子が放って置かなさそうね。」
梅雨ちゃんがぺろっと舌を出しながらそう言った。
周りの人もうんうん。なんて頷いている。
なんだか恥ずかしくなったが、私の個性上、それで問題なし。
『よし。行こうか。』
更衣室のドアを開けて、グランドへと向かった。