第1章 春
チリイイイイイイイイイイ!!!
『ッへ!?何?!』
”セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へ避難してください。”
へ!?どういうこと!?どういうこと!?
何で1人の時に限ってそんなことになるの?!
と、とりあえず、みんなが逃げている方へ行かなきゃ!!
3人は一緒だし、きっと大丈夫!後で会えればそれでいい!!
ランチラッシュの食堂にはヒーロー科だけでなく経済課、普通科など大勢の人が集結していた。
『んんっ苦しいっ、』
人の波は容赦なく襲ってくる。押し合いが始まりだしら。
無理、倒れっ・・・
ぎゅっと締めたまぶたを開くと
「大丈夫か?」
轟くんが助けてくれた。
『ん、ありがと、い、た』
「こっちに来い。」
腕を引かれ、押された波によって、焦凍の胸に飛び込んだ
『ご、ごめ、』
「いい。好都合だ。」
そういうと、抱きしめた腕をさらに強くした。
顔が、近い。
ドキドキする。
「お”お”い!夢翔!!どこにいった!!」
『?!かつ、』
「し。」
見上げると少し微笑んだ焦凍くんお顔があった。
「もうすこしこうしていたい。」
ぎゅ。と肩に焦凍くんの髪の毛が掛かる。くすぐったい。恥ずかしい。
「ダイジョー---ブ!!侵入したのはただのマスコミです!!何もパニックになることはありません!!」
飯田くんの避難ポーズによって騒ぎは収まった。
焦凍くんは仕方ないといった様子で、腕を放してくれた。
『あ、あの』
「?なんだ」
『(エー------なんとも思ってないんかいーーー!!)
・・・。ありがとう。助けてくれて。』
「・・こちらこそ。」
なにが?!と思ったが突っ込まないでおいた。