第1章 春
「おっはよーーー!」
電気くんがニコニコして隣に来た。
『おはよう。どうしたの?』
「ん?なにが?」
『いや、すごい嬉しそうに来てくれたから』
「え!!マジ?!俺そんな腑抜けた感じできてた?!」
雷のイメージでは「おはよう🌠(キマッタ)」という感じだった。
『うん。なんか可愛い笑顔だった。』
そう言って笑うと、「そ、それならそれでいっか」と目線をそらした。
席に着くとしばらくして出久くんが来て、もうしばらくすると勝己くんが来た。
「夢翔ちゃんもう学校に来てたんだね」
「なんか一言言ってから行けや!!!」
一緒に学校に行くなんて約束一言もしてないからね!!!!
と思いながら
「ごめんごめん。用事あってさ」とごまかした。
朝から両サイドで喧嘩して欲しくないしね。
するとチャイムが鳴って相澤先生が入ってきた。
「昨日の戦闘訓練、お疲れ。VRと成績見させてもらった。
爆豪、お前もうガキみたいなまねするな。能力と才能はあるんだから」
「っ・・。わかってる」
「んで緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か。」
前に座っている出久くんの肩が驚くほどはねる。ふふふ。面白い。
「個性の制御、いつまでも出来ないから仕方ないじゃ通らねえぞ。俺は同じ事をいうのが嫌いだ。
それさえクリアすれば、やれることは多い。焦れよ。緑谷。」
「っはい!!」
ぱああ!って出久くんから出る光が見えるよ。ふふふ。可愛い。
「それから夢翔」
『ええええ私!?はい!!!』
「えええじゃねえ。お前もっと自分の体大事にしろ。あんな方法でしか相手の心が揺るがないようじゃあこの先どうなるか分かったもんじゃない。もう少し考えろ。」
『・・・はい。』
落ち込んだ。
相手の心が揺れているかなんて、試してみないと分からない。
何かアクションを起こさなければ、人の心は揺るがない。
一体、どんな方法ですれば良いんだろう。
自分の中で解決すべき課題が生まれた。