第1章 春
頭をガシガシとかきながらため息をついた勝己くん。
「つまり、お前が俺に惚れたら何してもいいッつーことだろーが」
『え?!あってるような、あってないような・・・』
「惚れ殺したるわ」
『い、意味わかんな』
ちゅ
言ってることとやってること全然ちがくない?!?
「いつか惚れさすんだからこれくらい良いだろうが」
『いや開き直ってんじゃねーよ!!!!』
つい勝己くんの頭をはたいた。
するとフルフルと震えだした勝己。
こ、これは、まずい!!!
「こういうことって倍返ししねーといけねーってクソババアが言ってたわ」
『っな、なんのこと!?』
「しらばっくれんな」
また噛みつくように口を開いた爆豪。
やばい、回避できな・・
ピンポーン
・・・・・・・・・・・・・・救世主ううウウウウウウ!!!!
「あ?くそなんでお前の家は邪魔ばっかりやがんだよ」
『っし、しっらなーい!』
緩まった勝己くんの手からするりと抜けて玄関へと急いだ。
ガチャ
「あ、夢翔ちゃ」
ぎゅ
『今、とっても会いたかった』
ボン!!!!!!
「え、え、あ、え、?!」
出久くんはすごく顔を真っ赤にさせてあたふたしている。
「オイクソ夢翔!!!!!!なんでクソデクには抱きつくんだァ!?あ!?」
ズカズカと歩いてきた爆豪に引き剥がされた夢翔ちゃん。
あぁ。良い匂いしたなあ。柔らかかったなぁ。
思い出すだけで爆発しそうになる気持ちを静める。