第1章 春
勝己くんは眉毛をピクリと動かす
「あ?なんで後ずさんだよ。」
『い、いや、それはっ』
「今更意識してんじゃねぇ。」
急に距離を詰められ、腰を引かれた。
「昨日の続きさせろや」
『っえ!!そんな強制?!』
「当たり前だ。」
勝己に右手で頬を捕まれてそのままキスをした。
頬を捕まれた手は自然と離れて後頭部をもたれる。
まっ
『待って!!』
勝己くんの胸をドンッと押した。
「んだよ」
不機嫌そうに顔をゆがめる。私の方が不機嫌な顔をしたいものだ。
『そ、そうやって、何人の女を抱いてきたのか知らないけどッ』
「あ?」
『私のこともそう簡単に抱けるとか思ってたら大間違いだから!!』
「な」
『私はそんな慣れてないし、そういうのは流されてするものじゃないと思ってる』
「だ」
『だから私はぐ』
「オイクソ夢翔俺の言葉遮りすぎだろうが。」
また頬を捕まれてまともにしゃべれなくなる。
『ら、らって、しょうでもしないと無理矢理おかしゃれる!!!』
「んなことしねえわ!」
『うっそだー!!!バカバカ!この前なんて胸触ろうとしたくせに!!!』
「てめえの貧相な胸なんか興味ねえわ!!!」
『お、おう。そうか』
「何でんなことはまに受けんだよ」