第1章 春
「あ・・・そうだ。かっちゃんは?」
「爆豪くん?止めたんだけど、さっき黙って帰っちゃったよ。」
お茶子ちゃんにそのことを聞いた出久くんは急いで教室から出て行った。
『っあ!待って!』
私も咄嗟に追いかけた。
え、出久くん足速い!!追いつけない!!
「かっちゃん!!!!」
「あ”ぁ?」
「これだけは・・・君には言わなきゃと思って。僕の個性は、人から授かったものなんだ。誰かからは、絶対言わない。言えない・・。
でも、コミックみたいな話だけど、本当で。
おまけにろくに使えもしな久手全然ものに出来てない状態の借り物で
だから、使わず君に、勝とうとした。でも結局勝てなくてそれに頼って僕はまだまだで、だから、だから
いつか、この個性をちゃんとものにして、僕の力で君をこえるよ」
「・・・・なんだそりゃぁ。借り物・・?これ以上コケにしてどうするつもりだぁ・・・なぁ、だからなんだ。今日、俺はてめえに負けた。そんだけだろうが・・。夢翔の奴見て、俺も絶対操られるって思っちまった。
ポニーテールの奴に納得しちまった。クソが・・なぁ。てめえもだデク!!おれはこっからだ。こっから!!!ここで一番になってやる」
『・・・・出る出番なくした・・・。』
2人の話をこっそり草陰から聞いていた。
勝己くんも、涙出るんだなぁ。なんて人ごとのように考えていた。
2人の間には、私なんかにはわかり得ないなにかがある。それだけは確信した。
「おい!!盗み聞き女ァ!!!」
『・・・・。』
「お前だお前!!!お前しかいねぇだろうが!夢翔!!!」
『ッへ!!!!!!気づかれて?!』