第1章 春
「いつ目が覚めるかなんて分かったもんじゃないよ。午後の授業受けてきな。」
『・・・。』
「お前さん、授業放ってってここにいようとしてるだろう。私も一応教師なんでね。見逃す訳には行かないよ。授業が終わったら、また来てあげな。」
リカバリーガールからの言葉に、そうだな。相澤先生からしばかれる。
なんて思いながら治癒室を後しにた。
午後の授業は英語
それはそれは上の空で授業を受けていたと思う。
出久くん、もう目を覚ましたかな。
そんなことばかり考えていた。
チャイムが鳴ると同時に治癒室へと足を運んだ。
ガラ
「チャイムが鳴って1分もたってないじゃないかい」
リカバリーガールの驚いた顔に苦笑いしかできなかった。
『心配なもので』
『あの、緑谷くんが目覚めるまで、ここに居ても大丈夫でしょうか?』
「・・・好きにしな。」
リカバリーガールの言葉に甘えて、ベットの横にいすを置かせてもらった。
ねぇ出久くん。勝己くんとなんであんなに仲が悪いの?
昔からの因縁の中なのかなぁ
勝己ももう少し優しくしてくれたら良いのにね。
相手が悪かったね。
早く出久くん目を覚まさないかな。
包帯の巻かれていない手をぎゅっと握って私も目を閉じた。
ーーーーー
んっ・・・。
目を覚ますと真っ白な天井で。
痛い。温かい・・。
・・・・温かい?
ゆっくり温かい手に目を向けると
「ッブ!!!夢翔ちゃん?!????」
「目が覚めたかい?」
「うわあ!!」
手を握っている夢翔ちゃんに心を打たれながらも、急に視界に飛び込んできたリカバリーガールに思わず悲鳴を上げた。
「その子ね、あんたが起きるまで待ってるって午後の授業終わってからずっとそうしてるんだよ」
「・・・もう四時・・。」
「ちゃんとお礼を言うんだね。」