第1章 春
「ってか、夢翔ほんと強いな。」
『あ、切島君、・・・そうかなぁ』
「俺だったら一瞬でやられてるもんな。
お前に日頃から心揺らされまくってるし。」
なんて笑って言う切島君。
『なんだそれ。』
つられて笑った。
「そいやさ、何で俺だけ”切島君”なんだ?」
『え?』
「ほら、爆豪とか雷とかは名前呼びだろ・・?」
少しずつ声が小さくなっていく切島君に笑いながら
『いや、名前で呼んでって言ってくれた人を名前呼びしてただけだよ』
というと、なんだ。もっと早くから言えばよかった。男らしくねぇ
と自分を卑下していた。
「俺も、下の名前で呼んでくれるか?」
『鋭次郎?』
「お・・・・おう。」
「おい。今ズキューンって聞こえたぞ。」
ニュンっと間に電気くんが入ってきた。
「何のことだよ。」
「抜け駆けは認めねえーーーー!!」
とギャンギャン言いながら更衣室まで行った。
あれ、勝己くん、居なかったな。
そんなことを思いながら着替えを済ませた。
着替えて一番に向かったのは、治癒室。リカバリーガールのところだ。