第1章 春
「・・・負けた。」
『今回は私の勝ちだね。焦凍くん。』
「これ、どういうことだ?おすわり。まだからだが動かねえ。」
『んー。私の個性だよ。解除するね。』
そう言って太ももに両手を乗せて正座をしている焦凍くんの額にキスを落とした。
「・・・・。」
『ごめんね、この個性、キスじゃないと解けなくて。』
「・・・もう一回、個性かけてくれ。」
『なんで?!』
障子にかけた個性を複製腕にキスを落として解いた。
「・・試合は!」
『終わったよ。ゴメンね。眠らせちゃって。』
障子くんは眠そうに瞬きをして、何も出来なかったな。っとつぶやいていた。
そして講評の時間。
「ってかいいなぁ!!俺も夢翔にキスされてえ!!」
と雷と峰田が叫ぶのを聞いて、A組、オールマイトまでもが頷いていた。
「抱きつくと見せかけて、魅惑の個性を使うためだったなんてさすがですわ。」
八百万さんからも褒めていただいて、顔が上がらない。恥ずかしい。
「っていうかさ、夢翔の個性って最強じゃね?!」
と雷が驚く。
「だって、心が揺れた奴を操れるんだろ?障子の時みたいに胸元ちらつかされたら男なんてたまったもんじゃないだろ!!!!」
((((確かに。))))
アアアアアアアアアアアアア!!!俺もされたいイイイイイイイイィ!!
と叫ぶ数人を無視して、講評は終わった。
そして、全員の試合が終わり、ヒーロー基礎学は幕を閉じた。