第1章 春
「「・・・。」」
『・・?どうしたの?急に止まって』
「い、いや!なんでも!!」(笑顔が可愛いいいいいいいいいいい!!!!!)
「さっさといくぞ」(俺だけのもんになんねえかなあああああああ)
その後も言い合いが続きながら学校へたどり着いた。
「え!なに3人で登校してきたの?!」
「爆豪もそんなことすんだな。」
「普通だろうが!殺すぞ!!」
雷、切島が驚くと、飯田くんが問題視するような視線で近づいてきた。
「君、友人に向かって殺すとは何だね!もしかしてヴィランか」
「んなわけねーだろーが。脳みそ腐って死ね!!」
「なっ、君はそれでもヒーロー志望か」
「見てわかんだろうが!!」
「いやどう見てもヴィラン志望」
周りがクスクス笑う中、授業の始まりを告げるチャイムが鳴った。
席につくと、前に座っている出久くんが顔だけで振り返る。
「まだ夢翔ちゃんの前の席って慣れなくて緊張する」
それだけいうと前を向いた。
なに、いまの。ちょっとキュンとした・・・。
赤くなった顔を隠すように机に伏せた。
午前の授業が終わり、お昼の時間になった。
「夢翔、今日は良いか?」
『あ、焦凍くん』
「今日もオ、レ、とたべんだよ。邪魔すんな死ね!」
「・・別に邪魔してるつもりはねぇ夢翔はお前のじゃねえだろ。」
「っな、」
「今日は、良いか?・・だめか?」
なんだ焦凍くんのその捨てられた子犬みたいな目は・・・・!!!
『昨日は断っちゃったし、いいよ』
「ああ?!なんでそうなんだよ!!」
『勝己くんとは昨日一日中一緒に居たから良いでしょ?』
「良いわけねえだろ!!」
「わり。爆豪。夢翔はオ、レ、を選んだんだ。行くぞ」
そう言うと焦凍くんは私の手をつかんで歩き出した。