第1章 春
急に静かになった部屋はむなしさを呼んだ。
・・・というか。なんだ。勝己くんの奴。
一回、き、キスしたからっていって、もしかして・・・・・
簡単にヤれると思ってる?!?!
まずい。それはまずい。そんなこと考えられてたら私の貞操が・・・!!!!
きょ、距離を置くように、しようか・・・・。
そんなことをぐるぐる考えて顔がほてったり青ざめたりして、なかなか寝付けない夜だった。
次の日
『ん・・・』目が覚めるといつも通りの天井があって。
あ~もう朝か。なんて考えながら顔を洗いに行く。
トーストにマヨネーズと目玉焼きをのせて、野菜ジュースと一緒に食べた。おいしい。
制服を着るのは3回目。もうそろそろ馴染んできたかな。なんて微笑みながら袖を通した。
髪の毛をといて、よし。
ガチャ
『行ってきます。』
誰も居ない家に向かって独り言をつぶやいた。これは日課だ。
いつもと違うのは
「おはよう。夢翔ちゃん」
「おっせえわ!カス!さっさと行くぞ!!」
視界に飛び込んできた2人
『ッブ!!何で居るの?!』
「いや、ち、近く通ったからさその、一緒に行きたいなって思って」
モジモジ赤くなりながらいう出久くん。いや、ドアの前に居なくても・・
「待ちくたびれたわ!!はよ歩け!!」
『ピンポン鳴らしたらよかったやん!!!』
一体、この2人はいつから私を待っていたんだ・・・。
そう思うと申し訳ないような、ストーカーかなと思うような
『まいっか。』
「あ?!何がだこのカス!!!」
「か、かっちゃん、そんな朝から大きな声出さなくても」
「うっせえ!!これが通常運転なんだよ!てめぇにどうこう言われる筋合い無いわ死ね!!!」
あー。昨日の夜距離置こうなんて思ったはずなんだけどな~
『ふふ。』
ちょっとだけ、嬉しい。