第1章 春
『け、結婚?!付き合うならまだしも・・話がぶっ飛びすぎじゃない?!』
「良いから黙って答えろゃクソ夢翔!!」
『え!?どっち?!』
んーーー。と頭を傾けながら考え始める彼女に、男子陣はつばを飲み込んだ。
『んー切島君はとても相談とかしっかり乗ってくれそうだし
電気くんは一緒に居たら嫌なこと全部忘れられそうだし
勝己くんはどんな悪い人からでも守ってくれそうだし
出久くんはどんなことでも受け止めて一緒に解決してくれそうだし
瀬呂くんは・・・・』
「俺はねえのかよ!!!!」
瀬呂の突っ込みに思わずゴメン、思い浮かばなかった!と手を合わせた。
「ってことは・・・??」
『誰と結婚しても幸せになれそう。』
「俺以外な。」
瀬呂くんは無視した。ゴメンね。
”『誰と結婚しても幸せになれそう。』”と夢翔が言った瞬間、瀬呂以外の男子陣は頬を染めた。
(やっべ、俺が幸せにしてぇ)
(もうこれ告白?夢翔から告白されてんじゃね?俺。いけんじゃね?)
(幸せにし殺すわ)
(あぁやっぱり僕だけが知っていたかった。僕が幸せにしてあげたい。)
は~あ~という瀬呂の大きなため息が聞こえた。
しばらくして食べ終わると、ごちそうさまでした。と再び手を合わせた。
「食器僕が洗うよ。」
「いや!そこは俺にやらせてくれ!マジ何もしてねえし!」
と出久と切島君が名乗り出てくれた。
『そんな、お客さんなのに』
と口にすると”お客さんに任せて”と出久くんは笑ってキッチンへと消えた。
「いやー俺もなんかしたいけどなんかある?」と頭を傾けた電気くん。いや、何もないよ。と首を振ると
だよなぁ。と肩を落とした。
洗い物が終わったとき「もう外暗いね。」と出久が窓から空を見つめた。
『本当だね。暗くなったら危ないから、もう帰る??』
と聞くと
「あぶねぇのは女だろ。男は関係ねぇ。」
と勝己くんが吐いた。帰りたくないってことか・・?