第1章 春
ダイニングテーブルでは6人の食事は難しい。
トレーにハンバーグ、ポテトサラダをのせて談笑が進んでいるリビングに持って行く。
「お!!来た来た!」
待ってました!!とてを広げる電気。
「今日はハンバーグかぁ。お腹が急に空いてきたよ」
ニコッと笑った出久くんに『それはよかった。』と微笑み返した。
「うまそ。」
切島君の単純な一言がとても嬉しく感じた。
みんな買った箸をそれぞれ預かり、一度洗ってから再び返した。
『それじゃぁ、食べようか』
いただきます。
と手を合わせると、釣られてみんなも手を合わせた。
「うめぇ!このポテトサラダ今まで食べた中で一番うまい!!!さすが夢翔!!!」
といった電気くんにふふふっと笑いをこぼした。
「そりゃぁどーも」
にやりと笑った勝己に電気が汗を流す。
「え・・・これって」
『ポテトサラダは勝己くんが作ったんだよ。』
「か、神よ・・・。」
電気は撃沈した。
「やっぱり夢翔ちゃんの作る料理はおいしいよ。」
「ほんと?」
「う、嘘なんてつかないよ。」
微笑み合う二人に「殺すぞ、クソデク」と殺気が漏れ出す爆豪。
「嫌でも、ほんとうまいわ!夢翔は良い嫁さんとかになりそうだよな。」
切島の言葉にピクリ、と動きが止まった一同。
「なぁ夢翔。この中で、結婚するとしたら誰とする?」
電気の何気ない質問に視線が集まってくる。