第1章 春
晩御飯の食材をかって帰路につく。
夕飯はハンバーグとポテトサラダに決めた。
律儀な雄英生徒は食材を割り勘で買ってくれた。みんな優しい。
荷物は勝己くんが持ってくれている。
『ねぇ、今日買ったお箸さ、私のおうちに置いとく?いつ来てもご飯食べられるように』
笑った彼女に
初めからそのつもりだった
なんて言えず
「お!それいいねぇ!」
「頭いいな!」
なんてお世辞を言った。男同士はつながっているようで目を見合わせた。
『ここが私のお家だよ。』
マンションにつき、エレバーターで上る。
ドアをかちゃりと開けて部屋に入った。
「やっべ。いい匂いする」
といった雷の頭を爆豪が叩いた。
「いって!なにすんだよ!!」
「糞みたいなその口ふさいどけ」
「デリカシーってやつだよ」
と霧島に宥められていた雷。
『好きなとこ座っといていいよ』
とソファーがあるリビングを指さされた。
『テレビとかつけていいし寛いでて!』
そう言って彼女はキッチンに立ちに行った。
あぁ。嫌だなぁ。昨日は僕だけが夢翔ちゃんが綺麗で、尚且つ料理がとてつもなく上手だということを知っていたのに。
なんて思うと少し寂しくなるような気がした。
「やっべえ。ソファーもいい匂いする!興奮してきた!」
「おっま、マジでそういうのやめろよ!」
「だってほんとのことじゃんか!好きな人の部屋とか興奮すんだろ!」
「少しは隠そうとかないのかお前は・・・。」
「え、お前ら興奮しねぇの!?夢翔の部屋だぜ?!」
「ま・・まぁ、ちょっとは」
「少しなら・・」
「ぼ、僕は興奮というか緊張かな」
やっべえやっべえ言う雷君とそれを抑えようとする霧島君瀬呂君緑谷君
「あれ?そういや爆豪は?」
「あいつならキッチン行ったけど」
ッは!!!!!
とした一同は、二人がいるであろうキッチンをのぞき込む。