第1章 春
私side
今日から新しい1歩が始まる。。。!!!
と期待に胸を膨らませて数秒後、目の前にいた男の人が
「ボサっとしてんな。邪魔だくそデク!!!!」
と怒鳴り散らしてズンズンドコ歩いていってしまった。
なんだあれ。こっわ。ヴィランかよ。
ここの学校は素敵なヒーローの集まりだと思っていたのに。
と思った時、心で膨らんでいた期待が少し萎んだ。
はぁ。と大袈裟なため息をついて
嫌な考えしたな!根はいい人かもしれないし!決めつけるの良くない!ごめん!ヴィラン君!なんて思いながら
蹴散らされていた男の子に声をかけた。
『さっきの人、すごい怖かったね。大丈夫?』
しかし、私の問いかけは、彼に届いておらず寂しく独り歩きをしてしまう。
『あれ?おーい。あれ?』
無視?え?話しかけたらいけないやつ?寂しい。泣きたい。ってかなんだその顔。
入学早々そんなことを考えて、もういい。嫌われるならドラクエにしてやる
という意味のわからない答えにたどり着いた。
『返事がない。ただの屍のようだ。』
「い、生きてる生きてる!!!ごめん!」
ドラクエに食いついてくれたこの人は、きっとドラクエが好きなんだろう(違う)
『なんだ。生きてたのね。』
そう言って笑うと、彼はまたカチンッと固まってしまった。