第1章 春
~ボール投げ~
「・・・・」
爆豪くん、急に目とか、合わせてくれなくなったな。
あー、私が悪いんだけどさ
「?どしたん?なんか元気なくね?」
『え?ほんと?ちょっと考え事してたからかも』
「悩み相談なら乗るぜ。恋愛相談は遠慮するけど」
雷君はそう言って親指を突き立ててきた。
『?なんで恋愛の悩み相談はだめなの?』
「そりゃ、狙ってるこの恋愛相談なんて聞きたくないっしょ・・・あ」
雷君は、やばい、まずい
と顔色を赤青させていた。
『そうなんだね。』
深く考えた回答は出来ず、から返事をしてしまった。
「お??おう。」(危ねー気づかれてない!)
さっき私の個性の話を聞いていた人は、どれくらいいるだろうか。
もし、このボール投げで爆豪くんの個性を使って遠くまで飛ばしたら
どれだけの人が感づくだろう。
それは、避けたい。
『やっぱり、私の力でしなきゃ。』
爆豪くんの個性は使わない。
お茶子ちゃんがボール投げで無限という記録が出た。
あ~このままだと私、最下位じゃない?
「緑谷君はこのままだとまずいぞ」
「あ?ったりめーだ。無個性のザコだぞ。」
「?!彼が入試試験に何をしでかしたのか知らないのか」
「はァ??」
飯田君と爆豪くんの会話が聞こえてくる。
緑谷くんもあぶないのか。なんて思いながら彼を見ていた。
すると、彼から巻き起こった爆風に目が自然とほそまった。
『全然・・・危なくないじゃん・・・』
「まだ、動けます。」
彼の目はとても素敵な決心の目をしていた。
彼の記録は705M。
これは、私本当に除籍だな。