第1章 春

～反復横跳び～

『もう！！全然飛べなかったじゃん！！！』

「しるか！てめぇが使い方下手くそなんだろーが！！」

『ばかばかばーーーーか！！！！！！！！！！！』

「ァ”ァ！？んだとてめぇぶっ潰す」

『してみろ白髪はげ！！！！！！』

「だーれが白髪ハゲだ！！！！！」

ゴチンっと爆豪のこぶしが脳天に降ってきた。痛い。

「女に手あげるのは男らしくねーよ」
切島が間をはいるように爆豪をなだめた。

「こいつ女じゃねーだろ」

『うるさい！ばかばか！！！』


さっきの結果が悲惨すぎて、私はやけになっていた。

「・・・ところでさ、さっきの小日向手から火出てるように見えたんだけど」

『え”』

「あたりめ」
『気のせいだよ！！！気のせい！！！！！躓いてさっきコケちゃっただけなの！！！！勢い余りすぎて火花でも出ちゃったかな！？！？？』

爆豪の口を押さえながら必死に否定した。

「砂の上で火花出せるって小日向すげーな！！ある意味個性じゃん！」

とキラキラスマイルを向けてくる彼にごめんねええ！！と心の底から謝った。心の中で。

爆豪と肩を組み、小さな声で念を押した。

『私とき・・キスしたってことは内緒にして！！』

「んなめんどくせーこと別に隠さなくていいだろうが。」

『なんで？！隠さない方が確実にめんどくさいでしょ？！』

「しったこっちゃねーわ！」

『うるせえ！勝手にキスしたんだからそれくらいの約束守れ！！！！』

「分かったから放せや！顔ちけーだろーが」

え、今更過ぎん！？ウブかよ

なんて思いながら周りを見ると、やけに注目が集まっていた。

「え？！なに夢翔ちゃんと爆豪付き合ってんの？！」

『ないないないないない！！！！』

「距離近くね？」

『ちかくないないないないないない！！！！』

私の全力否定に、爆豪はあからさまにいやな顔をした。だって入学して(誰とでもキスするふしだらな女)とか言われたくないもん！！！絶対嫌だもん！！！！

「そうかよ」

爆豪がふいっとそっぽを向いて私から離れていった。
あ、やばい。私今、傷つけたのかも

後で謝ろう。今は無理！！！
と心の中で死ぬほど謝った。


反復横跳び　記録　59回