第3章 雄英体育祭
「ここからが本題だ。戦いはまだ終わってねえ。」
相澤先生から放たれた言葉に、生徒は凍ったように動かなくなった。
まだ・・・ヴィランがっ・・!?
「雄英体育祭が迫ってる」
「「「クソ学校っぽいの来たああああ!!!」」」
体育祭は、私が雄英に入る前から知っていた。
新しいヒーローが生まれるかもしれない瞬間。
その体育祭は全国的に取り上げられて、嘗てあったオリンピックになっている。
「時間は有限。プロに見込まれれば、その場で将来が開けるわけだ。年に一回、計三回のチャンス。ヒーロを志すなら絶対に外せないイベントだ。」
ヒーローを、志すなら・・・ッ!!
「その気があるなら準備は怠るな」
「「「「はい!!!」」」」
休憩時間になると、一斉にザワつきだした。
「ウオオオ!!テンション上がってきた!!!」
「私絶対目立ってみせるから!!」
「葉隠さんは相当努力しないと、プロに存在気づいてもらえないかもしれないね・・・。」
「スカウトの目にとまるって言ったら、やっぱり夢翔ちゃんやろな!!」
お茶子ちゃんが鼻息を荒くして近づいてきた。
「確かに。すでにマスメディアはほっといてないものね。」
梅雨ちゃんが朝見ていた2チャンネルの画面を更新しながら呟いた。
『・・・どうししてそんな話題になるのか・・・』
「「「「え」」」」
『わたし、気づかないうちに魅了の個性爆発しちゃってるのかな・・・』
「「「「〈遠い目〉きっとそうだよ・・・。」」」」
「容姿が優れているからだろ。」
「「「「!?」」」」
『あ、焦凍くん。』
「容姿だけじゃなくて中身も引かれるところがあるけどな。」
そう言って彼は教室から出て行った。顔が熱くなるのが分かった・・。