第1章 春
「お前らいい加減にしとけよ。」
全員が揃ったことを確認して相澤が口を開いた。
「これから個性把握テストを行う。」
「「「個性把握テストォ!?!」」」
「入学式は?!ガイダンスは?!」
「そんな行事を悠長にしている暇はないよ。
君たちも中学生の時にしていただろう。個性禁止の体力テスト。」
相澤は、その体力テストを個性を使いながら行うことを端的に伝えてきた。
『私の個性、役に立たなくね。』
小さくぼやいた言葉は隣のに来ていたヴィランくんに受け止められたようだ。
「あ"?てめぇ個性なんなんだよ。」
『教えないよーだ』
「あ"ァ?!調子乗ってっと」
「人の話は最後まで聞けって習わなかったか?」
相澤から送られてくる冷徹な視線に身を凍えさせた。
『ごめんなさい。』
と素直に謝った。
「実技試験じゃ、爆豪が1位だったな。
中学生のとき、フットボール投げ何mだった?」
イラッとしている(させた)爆豪がキレ気味に答える。
「67m」
「じゃ、個性使ってやってみろ。」
相澤がポンっと爆豪?にボールを渡した。
彼は枠から出ないよう、白い線の内側に入り、手に思いっきり力を入れていた。
「んじゃ、まぁ、
死ねぇぇえええええええええ!!!!!!」
『えええええええええええええ』
誰に対して?!え!?私?!?!
とだいぶ引いた私を他所に、みんなは頭に?マークを浮かべていた。
?マークで済むの?!私殺される
っと半分涙目になった。705mの記録を自慢げにしながらまた私の近くに帰ってきた。
「なんで半泣きしてんだよ。」
『え、だって殺すって私じゃん』
「違うわ。アホか。カス。」
罵声を浴びせられて数秒後
「面白い、ねぇ。」
爆豪の結果を見た生徒が盛り上がる姿を見て相澤がにやりと口元を緩ませた。
「よし。8種目トータル記録が最下位だった奴は、除籍処分にしよう。」
その言葉に身を凍えさせた。
私の個性上、確実にフリな個性把握テストだ。