第14章 謎解きの始まり
あの悪臭事件から翌日。
しばらく仕事はないからとトランプのボス直々にメールが届いた。
こんな狂った人達の集まりにいるより自分の家にいたほうが安心して眠れる。
そう思い、トランプのアジトから出ていく。
しばらくぶりに外の空気を吸う。
自分が生きていることを実感する。
これから家に戻ってもきっと降谷零や黒の組織、ジンにぃからの尋問があるに違いない。
なんて答えようか。
素直に言ってしまえば楽なんだろうが、このことに関して巻き込むのはごめんだ。
自分が蒔いた種は自分が拾う。
それは情報屋としてのケジメでもある。まぁ、この件に関しての種は私が蒔いたものでは無いけれど。
そんなことを思いつつも人気のない路地裏を歩く。
表通りなんて歩いたら誰にばったり会うか分からないし。もし、出会っちゃうならジンにぃの方がいい。
絶対に嫌なのは降谷零と赤井秀一。だって、出会ったら即監禁からの尋問が始まりそうだ。
猫「にゃー。」
狭い路地から飛び出してきた猫。
「三毛猫?へぇ。可愛い。」
物騒なことが立て続けに起きた私の身にとって動物は癒しと成り果てる。
猫は人馴れしているのかゴロゴロと喉を鳴らして私に擦り寄ってきた。
「ンン!可愛い!!」
猫を撫でていると猫が来た路地から誰とも出会いたくなかったのに、少年と出会う。
?「大尉ー。」
「え?」
?「あ。」
大尉「にゃー。」
その少年からは不思議な感じがした。
全力で逃げたいが足元には可愛く甘える猫。
今、全力で逃げればこの猫を蹴ってしまう。
く……。
私にこの癒しを蹴るなんて………………。
?「お姉さん!こんな所で何してるの?」
「あははー。」
逃げれなかった。