第13章 君の知らないところで
降谷零side
「このところ、シャルトリューズが顔を出さなくなったことや、貴方が単独行動をし始めたと聞いたので少し調べたんですよ。」
ジン「……。」
ジンが座っている隣に座り、よくある玩具のトランプをジンの目の前に出す。
カチャ
脇腹に銃口が当てられ、ジンの顔は今まで見たことがないほど怒りに満ちたものだった。
「僕は何も言ってないですよ?単にトランプを出して貴方と駆け引きをしようかと思ったんですが……。思い当たることがあるのでは?」
ジン「なんの真似だ。」
「あなた一人ではそろそろ限界なのでは?隠しているようですが、左脇腹……誰にやられたんです?貴方というあろうものが怪我をするなんて。」
ジン「チッ……気味の悪いやつだ。」
ジンは銃を懐に戻して酒を煽る。
ジン「……どこまで知っているかは知らねぇが、てめぇも命が欲しいなら関わらねぇ事だな。」
「貴方が死んだらシャルトリューズはどうなるんですか?」
霧島との関わりはまだ浅いが、彼女がジンのことを大切にしていることは知っている。
ジン「……さぁな」
言葉を濁すジン。
ジンの反応からして霧島とジンがトランプという組織に何かしらの関りがあるのは確定した。
あとは何故トランプがそこまでして霧島を引き入れたかということ。
「ジン。あなたなら知っているはずですよね。シャルトリューズがトランプに狙われた理由を。」
ジン「探偵ごっこなら終わりだ。仕事の時間だ。」
ジンはすくっと立ち上がり店を出る。
「ジン!!」
俺はジンの後を追う。
あの後もジンにいろいろ聞いたがすべてはぐらかされたり、無視され、詳しいことはわからずじまいだった。
こうなったら、トランプの一人を捕まえて吐かせたほうが早いかもしれない。
この焦る気持ちは彼女の安否ではなく公安として危険な組織を一つ壊滅することができるからなのか、はたまたもっと違う何かなのか
それを理解するにはまだ霧島との関りが浅いからだろうか。
この気持ちをはっきりさせるためにも霧島をトランプから助けなければ。