第12章 それぞれが守りたいもの
赤井side
突然電話がかかってきた。
誰かと思えばFBI潜入捜査の親しい奴からだった。
何かあれば本部に連絡を入れるだろうが俺に電話をしたということはアイツに身の危険がせまっているということか。
俺はその電話に出ると、電話の向こうから息を切らしている声と狂気に満ちた声が聞こえた。
赤井「おい、どうした。」
「すいません、ジョーカーをつきつけられました。それから、貴方の言っていたあの事なんですが。がっ?!」
赤井「お、おい!」
?「ほらほら、ちゃんと逃げないと死んじゃうよ?まだ足は動けるでしょ?走って走って♪」
電話越しに聞こえる銃声音と男の声。
「大丈夫です、腕を撃たれただけです。そんなことより、いましたよ。あの女。クラブのクイーンとして。」
?「だーれと連絡とってるの?自分ところの上司?それとも家族?いいよいいよ。最後の言葉くらい話したいよね?だから次は左足ね。」
再び銃声音が聞こえると電話の相手はうめき声をあげた。
裏切り者「ぐっ……。」
バタッと倒れるような音にスマホが落ちる音。
赤井「おい!どうした?!なにがあった?!」
?「仕方ないなー。ほらスマホ。ちゃんと話せるようにまだ殺さずにいるからたくさん話してよ?」
聞こえるのは電話の相手の断末魔の叫び。
胸くそが悪くなる。
?「ほら早く話さないと死んじゃうよ?」
荒い息遣いに快楽殺人鬼とも思える発言をする男。
?「この右腕、使い物にならないから壊しても問題ないよね?」
バキッ
そんな鈍い音が聞こえたと思ったら。
「ぐっ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
痛みに苦しむソイツは息を切らしながら呟いた
「あの女のお気に入りは……くっ、ハァ、ハァ……。銀色のネズミ……、そして……。」
?「もう一本いくよー。」
人とも思えないことをしている快楽殺人鬼に殺意が湧いた。それと同時に黒の組織以上の冷酷で残酷な組織を相手していることを悟った。普通ならば情報が漏れることを恐れてすぐに口を封じるはずが、電話の向こうの快楽殺人鬼はしなかった。まるで殺人を楽しむかのように…。