第11章 君を守るそのためならば私は
できる。私なら……。時には渚として、ある時はシャルトリューズ、そしてクラブのクイーン霧島として……。
「はっ……笑える。」
ポツポツと雨が降り出す。
ねぇ、降谷零。あなたの正義と私の正義いつかはぶつかるんじゃない?
貴方が国を守るように私は家族を守る為ならばやり方は選ばない。
あれ?おかしいな。
なんであんなヤツのことなんかを……。
あー。やだやだ。
今はそんなところではない。
ジンにぃは私が命にかえてでも守る。
私はずぶ濡れになった自分を見て考える。
今家には降谷零がいる。帰っても尋問されるだけ。
どこかホテルを探すか。
受け取ったスマホをカバンにいれ、ホテルを探しに歩き出す。
そうだ。忘れるところだった。
組織での仕事はデータのみのやり取りにしてもらわないとな。トランプに入ると顔向けはあまりできない気がする。
ホテルについたら連絡するか。
体を打ち付ける雨がどことなくジンにぃの涙に思えた。