第11章 君を守るそのためならば私は
男について行けば人通りの少ない路地裏についた。
男「ボスからの命令……いや、貴方はそうせざる負えなくなると言った所でしょうか。貴方は私達組織の一員となるしかない。」
「どういうことかしら?」
男「最近銀色のネズミが俺たち組織のことを嗅ぎ回っているようでな。ネズミにしては知りすぎていることを知っているようだからな。」
ジンにぃのことだ!!
「そのネズミに手を出さないという条件で私が貴方達に手を貸すと言ったら?」
男「いいだろ。そんなネズミ1匹…。殺すことなんて赤子をひねるより簡単だ。」
「あ、そうそう。そのネズミに手を出してみなさい。私の正義で断罪してあげる。」
私はスペードのエースに関する資料をカバンから出して男の目の前でばらまく。
男「な!?わ、わかった!」
男は地に落ちた資料を無様に這いつくばってかき集める。
「目には目を歯には歯を……。えらく地がお似合いね?」
男の頭を踏みつける。
男「ぐっ……。」
?「そこまで俺の部下を可愛がってくれるなんて。どんなお礼がいいかな?」
男の頭を踏んだまま声のした方に振り向く。
「はじめましてスペードのエースさん?」
スペードのエース「これはどうも霧島。交渉は成立といっていいのかな?」
「えぇ。」
スペードのエース「相変わらず君たちは血縁関係者のことになると冷徹で残酷になるね。その血縁関係と同等にボスも見てくれたらうれしいんだけど。」
「寝言は寝てからいったら?なんなら私が寝かせて差し上げましょうか?」
スペードのエース「遠慮しとくよ。身体的に死ななくても社会、精神的に殺されそうだ。」
スペードのエースは不敵に笑うと踵を返す
スペードのエース「それじゃ、依頼はこのスマホでよろしくー。」
スペードのエースはスマホを私に投げ渡した。スマホを受け取った私は男から足を退ける。
男は資料を全て集め終えると走ってスペードのエースの行った方に逃げていった。
それと同時ぐらいにその場に崩れ座る。
「はぁ……はぁ……。」
息が詰まりそうなほどの空気だった。あぁでもしてクラブのクイーンとしての威厳を見せつけなければ、実力主義のトランプの世界ではすぐに殺される。
ましてやボス直々の地位となれば納得のいかないやつ……先程の男も例外ではない。