第10章 日常が来ない
ジンにぃとお酒を飲んでから1週間。
組織の依頼はほとんど部屋でできるようなものばかりでバーボンと会うことはなかった。
会うとすればどこで知ったのかはわからないがベルモットやウォッカ達が来るようになった。
私の個人情報のセキュリティ低いな。
いや、多分ジンにぃが教えたに違いない。ここ最近ジンにぃは1人で動いてるらしい。ベルモットが言っていた「いつも不機嫌そうだけど、ここ1週間不機嫌すぎるし、何かに取り憑かれた見たいに何かを探してた。」って……。
ジンにぃ……。
無事ならいいんだけど。
ピンポーン
家のベルがなり玄関に向かう。
この家に来る人といえば……
扉を半分開けたところ、金髪が見え扉を慌てて閉め……れなかった。ちゃっかり金髪の男が履いている靴の先が閉めることを妨害していた。
バーボン「ひどいじゃないですか。」
とかいいながら笑顔なのが1番怖い。
「なんの用ですか。帰れっ。」
ギチギチと扉を閉める私と扉を開けようとするバーボンの攻防戦が始まる。
バーボン「最近ジンが手を回して貴方に合わせて下さらないので僕が直々に来ました。」
「会いに来なくても結構です。それに、今日はあなたとの依頼はないはずです。」
バーボン「酷い嫌われようで悲しくなります。」
「何が悲しいんですか。全然平気な顔じゃないですか。」
バーボン「仕方ないですね。シャルトリューズ、今ジンが何をしているか……情報を売ってもいいですよ?」
「な?!」
ニコニコと勝利を確信したかのように笑うバーボン。
確かに1週間ジンにぃについて分からない。ベルモットやウォッカさえも知らないのだ。つまりジンは単独行動をとっている。そういうことになる。
それにジンが簡単に毛嫌いしているバーボンに喋るとも思わない。単なるハッタリか公安の力か……。
「はぁ……とりあえず入ってください。」
バーボンを家に上げて以前使用した客間に案内する。
「とりあえず、何を飲む?」
バーボン「あぁ、お構いなく。」
「そ。」
すぐに用意出来るものが珈琲しかなかったため珈琲を淹れる。
そして、ソファに座っているバーボンに珈琲を渡す。
「それで、ジンのことだけど。」
バーボンと対面するようにソファに座り珈琲を1口飲む。