第7章 気づかない2人
安室「さすがですね。情報全てを相手に渡さないように言葉巧みに1部のみの情報を買うように仕向けるとわね。」
チッ。バレてらー。
「なんのことですか?貴方が僕の情報を全て買うと言ったんじゃないですか。だから安室さんの情報を……。」
安室「いつ誰が安室透としての情報を全てといいました?僕の情報を全てと言ったんです。そう、貴方は安室透としての僕、バーボンとしての僕を知っていますよね?」
「あぁー。もうわかった。わかった。じゃぁ、なに?バーボンと安室透としての情報を全て買うってことでいいのね?」
安室さんはクスクスと笑うと私を射殺すような視線で私を見つめる。
安室「そんなに焦るということは、もう1つのことを知っていますね?」
「な、なんのことですか?」
安室「とぼけないでください。もう1つの僕の顔を知っているんですよね?」
どうする。このままだと2つだけでなく3つの情報を買われてしまう。考えろ考えろ。足りない頭で考えろ。
しかし、いくら考えても何も出てこない。
「まいりました。心理戦は苦手なんです。じゃぁ、誰にも貴方が安室透で、バーボン、公安の降谷零、その情報を買うということでいいのね?。」
安室「えぇ。」
「じゃぁ、その情報を売る代わりに何をくれるのかしら?お金?それとも売る情報以上か同等の情報をくれるのかしら?」
安室透さんは口角を上げ、フッと笑った。
安室「あなたの事だ。金欲は満たされているのだろう?そこで、僕の知る情報を渚さん……。いえ、黒澤霧島。」
カチャ……
安室さんに銃口を向ける。
「どこでその名前を?そしてどこまで知っている?」
安室「貴方が僕の車に乗った時、運よく貴方の髪が落ちてたので調べたんですよ。」
安室さんの言葉が本当であれば、そこから得られる情報は名前、生年月日、性別……程度であろう。
それ以外の情報が出てくるわけが無い。出てくるはずがないのだ。
なぜなら、この私とジンにぃとで消したのだから。
「それで?どこまで知っているのか教えてもらっても?」
安室「それを言っては商売にならないじゃないですか。」
安室さんはわざとらしい笑顔でこの情報屋の私の真似事を行った。
こんな素人に……。ましてや嫌いな奴に私の真似事を……。
そう考えると怒りが湧いてくる。