第4章 コードネーム
兄に相談したってどうせ「殺せ。」で終わるんだろなー。
とりあえず、相手を撒いてホテルに入ってホテルに戻る。これが無難なところだろう。
あ、でも、家に帰らないのはおかしいか。
いや……。ハッ!そうだ!セフレと居たということにすればいい。そうだ。そうしよう。そしたら男の子を捕まえて一緒にホテルに入り、その男を気絶させて出入口以外からでる!そして出入口以外から戻って出入口から出ていく!
これだ!我ながらなかなか良い考えではないか。
仕事終わり、ワクワクしながら職場を出ると犬のお巡りさんは見当たらなかった。
うん?
張り込みを諦めた?にしては早すぎる。
隠れて着いてきている様子もない。
?「Hi。お嬢さん。」
「うぉおう?!」
いつの間にか隣を歩いていた金髪で色白のお姉さんに驚く。
?「あなたの周りをコソコソしてた人がいたけど安心して。今は夢の中よ。」
「!そうですか。ありがとうございます。ところで、あなたは私の事存じている様子で。」
ベルモット「ええ。自己紹介が遅れてごめんなさい。私はベルモット。」
「あら。素敵なお名前。私は渚。」
ベルモット「ありがとう。ジンがやたら気に入ってたみたいだったから一足先に見ておきたくてね。」
「!!ほほう!それは嬉しいですな。」
ジンという言葉が出てきて確信した。やっぱり黒ずくめの組織のメンバーか。
ベルモット「それじゃ。集合場所で。」
「ええ。」
ベルモットは自然に人混みに紛れると姿を消した。
さてと。早く家に帰ろう。
せっかく考えた作戦は出来なくなってしまったけど、ベルモットさんには感謝感謝。
家につくと、鍵が勝手に空いていた。
「な……。」
私は慌てて家に入るとさっきまでの焦りと強ばった顔は緩んだ。そして、部屋にいたその人に抱きついた。
「ジンにぃ……。」
兄は優しく私を抱き締め返してくれた。
私が幼い時、泣いていた時にしてくれたように。
「あいたかった。」
ジン「あぁ。」
しばらくして離れるとジンは私に黒いコートをかしてくれた。そしてフードを深く被らされた。
「ジン?」