第1章 ココロ。
迷っていると女のコがいきなり走り出した。
俺の横をすげー速さで通り過ぎる。
めっちゃ勇気あるな〜と考えながら
俺は家に向かって歩きだす。
いや、歩き出そうとした。
そしたら後ろでばたーんって。
後ろを振り向くとさっきの女のコが
転んでビニール袋の中身をぶちまけている。
「いや、マンガじゃねーんだから。」
思わず突っ込みたくなるくらい(笑)
一生懸命中身を拾っている女のコのほうに
俺は小走りで近づく。
「大丈夫?」
女のコのとなりにしゃがんで、
顔をのぞくと女のコは大きな目に
こぼれそうな涙をうかべてた。
「名前、なんていうの?」
なんで俺、いきなりこんなこと聞くんだ?
『...のどか..です。』
すげーちっちゃい声だけど、俺には聞こえた。