第4章 迷いと決断
何度も角度を変えて唇を重ねる。
熱がある彼女は、すげー熱い。
呼吸ができなくて
苦しそうにする彼女を見ると
なかなかやめられなかった。
突然彼女が俺の体を
弱々しく押した。
俺は唇を離す。
『.....なに?』
「.....んでっ.....こんなことっ...」
そのとき気づいた。
彼女は、泣いていた。
俺、なにやってんだ?(笑)
この子を愛すことなんて
俺にはできないだろ....
生まれてはじめて味わう、
この痛み。
彼女の未来を奪うことなんて
できないんだ。
『......ごめん。怖かったよな』
俺は立ち上がり
着てきた上着をとる。
『鍵ぐらい
かけたほうがいいですよ
女の子で1人なんだからさ』
もう、きっと、会えない....
彼女は今
どんな顔をしているだろうか
怖くて、
彼女の顔を見れなかった。
なにも言わないあなたは
なにを考えてるんですか?
『じゃ、お大事に』
歩き出そうとしたその時だった。
背中にぬくもりを感じた。